111A33

20歳の男性。左陰嚢の腫瘤を主訴に来院した。1年前から陰嚢上部の腫瘤に気付いていた。夕方になると時々左陰嚢に鈍痛を自覚することがあった。立位での左陰嚢上部の写真(A)を別に示す。破線で囲まれた部位に腫瘤を触知する。腫瘤は柔らかく、仰臥位で縮小し立位で腹圧を加えると腫大する。臥位での破線部の安静時超音波像(B)と腹圧時カラードプラ超音波像(C)とを別に示す。

この患者に生じる可能性が高いのはどれか。

尿失禁
射精障害
精巣腫瘍
勃起障害
造精機能障害

解答: e

111A33の解説

20歳男性の陰嚢内腫瘤。Aより精巣自体に由来する腫瘍ではなさそうだ。Bにて拡張した血管と思われる領域が描出されており、同部位にCのカラードプラでは血流のうっ滞がみてとれる。精索静脈瘤を考える。本疾患は左に好発することも確認しておこう。
a 尿路系のトラブルではない。
b 精液の大部分は前立腺液である。eの造精機能障害が起こっても射精は可能となる。
c 精巣自体の腫瘍ではない。
d 神経系に異常はなく、また動脈の流入も保たれる。ゆえに勃起障害はみない。
e 正しい。血流のうっ滞により精巣温度が上昇し、造精機能障害をみる。

正答率:82%

テーマ:精索静脈瘤の合併症

フォーラムへ投稿

関連トピック