111A32

64歳の男性。2週間前から持続する右大腿部痛を主訴に来院した。発症時、痛みは安静時にはなく歩行時のみであったが、3日前から安静時痛も出てきたという。既往歴に特記すべきことはない。血液所見:赤血球478万、Hb 12.3g/dL、Ht 41%、白血球4,300、血小板19万。血液生化学所見:総蛋白6.5g/dL、アルブミン3.8g/dL。CRP 0.1mg/dL。右大腿骨エックス線写真を別に示す。

初期対応として適切なのはどれか。

抗菌薬投与
右大腿部の外固定
副甲状腺ホルモン投与
ビスホスホネート投与
右下肢の免荷(荷重制限)

解答: e

111A32の解説

画像にて右大腿骨転子下に骨透亮像がみられる。①この領域は境界不明瞭であり、②高齢であること、③進行性であること、といった理由より悪性腫瘍の骨転移を考える(②より原発性悪性骨腫瘍は考えにくい)。
a 感染症ではないため無効。
b 大腿骨の病変であるため、外固定には股関節と膝関節まで含めることとなる。広範すぎるため、診断のついていない今、「初期対応」として行うべきものではない。
c・d 骨粗鬆症に有効。
e 正しい。診断のついていない今、まず行うべき対応は免荷(荷重制限)であろう。

正答率:82%

テーマ:転移性骨腫瘍が疑われる患者への初期対応

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