110I68

18歳の女子。繰り返す授業中の居眠りを主訴に来院した。17歳ころから夜間十分に眠っても日中に強い眠気を感じるようになり、次第に日中の居眠りが増えてきた。半年前から寝つく際に意識はあるのに力が入らず体を動かすことができないという体験が出現するようになった。日中に大笑いすると膝の力が突然に抜けることがある。診察時、意識は清明で神経学的所見に異常を認めない。
この疾患について正しいのはどれか。
肥満者に多い。
入眠時幻覚が出現する。
カタレプシーが出現する。
精神的なストレスにより生じる。
夜間の睡眠時間延長で症状は改善する。

解答: b

110I68の解説

睡眠発作、睡眠麻痺、情動脱力発作〈カタプレキシー〉といったキーワードが揃っている。ナルコレプシーの診断。
a 睡眠時無呼吸症候群は肥満者に多い。
b 正しい。上記3つと入眠時幻覚を合わせてナルコレプシーの4徴とされる。
c 古典的な引っ掛けである。カタレプシーは緊張病症候群でみられるものであり、カタプレキシーとは異なる。
d 精神的ストレスの関与は示されていない。
e 睡眠不足が原因となるわけではないため、睡眠時間を延長しても無効。「夜間十分に眠っても」という本文の記載からも本選択肢が誤りということは想像がつくはずだ。

正答率:86%

テーマ:ナルコレプシーについて

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