110I67

32歳の女性。1回経産婦。妊娠中の血糖管理のため紹介されて来院した。自宅近くの産婦人科医院で妊娠の管理中であったが、妊娠26週に測定された血糖が172mg/dLであり、75g経口ブドウ糖負荷試験を施行され妊娠糖尿病と診断された。既往歴に特記すべきことはない。家族歴は母が2型糖尿病で治療中である。妊娠前から飲酒歴と喫煙歴はない。身長160cm、体重71kg(非妊時68kg)。身体所見に異常を認めない。腹部超音波検査で胎児に異常を認めない。初診時、HbA1c 6.9%(基準4.6〜6.2)。この患者に対して1,700kcalの食事療法と無理のない程度で体を動かすことを指導して血糖の推移をみた。2週後の来院時で空腹時血糖118mg/dL、食後2時間血糖186mg/dLであった。
この患者に対する最も適切な対応はどれか。
インスリン注射を考慮する。
DPP-4阻害薬投与を考慮する。
ビグアナイド薬投与を考慮する。
毎日の運動量を400kcal増やす。
食事エネルギー量を200kcal減量する。

解答: a

110I67の解説

妊娠糖尿病〈GDM〉。食事指導と運動指導で血糖の推移をみているも、2週後の来院時に改善がみられていない。積極的介入をすべきタイミングであろう。
a 正しい。妊婦にインスリン注射は実施可能。
b・c 妊婦に経口血糖降下薬は禁忌(厳密にはbは禁忌とまでは言えないが、安全性は確立されていない)。
d 400kcalの運動量というのは相当な量である。妊娠中期〜後期の妊婦には実施困難。
e 1,500kcalとしてしまうと、胎児への栄養供給にも支障がでてしまう。これ以上のカロリー減は難しい。

正答率:91%

テーマ:妊娠糖尿病〈GDM〉の対応

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