110I58

68歳の男性。右小指が伸ばせなくなったことを主訴に来院した。糖尿病にて内服治療中で、HbA1cは6.3%(基準4.6〜6.2)である。10年前から右手掌の小指側に硬結を触れ、硬結は徐々に硬くなってきた。洗顔の際に右小指で眼や鼻を突くようになってきたため受診した。硬結は22×8mmの大きさで索状に縦走する。右小指中手指節関節〈MP関節〉が屈曲しており、自動、他動ともに屈曲40°までしか伸展できない。他の指に可動域制限を認めない。感覚障害はなく握力も低下していない。
最も考えられるのはどれか。
屈筋腱断裂
伸筋腱断裂
尺骨神経麻痺
後骨間神経麻痺
Dupuytren拘縮

解答: e

110I58の解説

糖尿病の背景がある高齢男性で、右手掌に変化がみられている。記載の内容からDupuytren拘縮を考える。Dupuytren拘縮は107A6でも出題がある。
a 屈曲障害のみをみる。
b 伸展障害のみをみる。関節リウマチに合併しやすい。
c 鷲手をみる。また、感覚障害が出現する。
d 後骨間神経は橈骨神経の枝である。感覚障害はみられないも、下垂指〈drop finger〉となる。
e 正しい。上記の通り。

正答率:89%

テーマ:糖尿病に合併したDupuytren拘縮の診断

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