110I57

50歳の女性。前頸部痛を主訴に来院した。30分前に映画館で座っていたところ、後ろの座席にいた客が転倒した際に突然後頭部を強く押され、前の座席の背もたれの角に前頸部を強打した。痛みがとれないため、独歩で受診した。意識は清明。体温36.5℃。脈拍96/分、整。血圧140/80mmHg。呼吸数20/分。強打した部位の疼痛、皮下の血腫および腫脹を認める。診察中に唾液が口から漏れ、発声音域が次第に低下している。
まず行うべきなのはどれか。
頸部CT
咽頭造影
頸部冷却
気道確保
副腎皮質ステロイド吸入

解答: d

110I57の解説

前頸部強打により、気管が損傷を受け狭窄してしまったと考えられる。まさしく災難だ。人が多く集まる場所にはあまり行きたくなくなる症例。
a 気道病変の評価には的するが、CT撮影中に呼吸停止しかねない。
b 嚥下機能を評価する検査。
c 病態は改善するかもしれないが、まずは気道確保が優先される。
d 正しい。気道狭窄により呼吸困難をきたしうるため、気道確保が優先される。
e 気管支喘息の治療。

正答率:82%

テーマ:前頸部外傷による気道狭窄にまず行うべきこと

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