110H30

62歳の男性。顔面の発赤を主訴に来院した。3日前に顔面の発赤が出現した。37.2℃の発熱と顔面の熱感があり、押さえると痛みを感じた。症状が改善しないため受診した。顔面の痒み、日光過敏、関節痛および筋肉痛は自覚していない。化粧品や外用薬は使用していない。糖尿病で治療中である。喫煙歴はなく、飲酒は機会飲酒。兄が関節リウマチ。意識は清明。体温37.5℃。脈拍96/分、整。血圧122/64mmHg。呼吸数14/分。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。両頬部に発赤と圧痛とを認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。顔面の写真を別に示す。
最も適切な治療薬はどれか。
抗真菌薬
抗ウイルス薬
副腎皮質ステロイド
ペニシリン系抗菌薬
非ステロイド性抗炎症薬〈NSAIDs〉

解答: d

110H30の解説

両頬部に発赤と圧痛とを認める高齢男性。画像から丹毒を疑う。丹毒はA群β溶連菌感染が原因となりやすい。
a・b 細菌感染であり、これらは無効。
c 細菌感染が増悪してしまう。
d 正しい。A群β溶連菌に有効な抗菌薬である。
e 消炎鎮痛作用を狙って投与しても問題はないが、「最も適切な治療薬」とはいえない。

正答率:76%

テーマ:丹毒の治療薬

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