110E54

78歳の男性。悪心と腹痛とを主訴に来院した。腹痛は朝から生じ、徐々に右下腹部に移動し、増強してきたため受診した。身長160cm、体重54kg。体温37.8℃。脈拍92/分、整。血圧148/84mmHg。呼吸数20/分。腹部は平坦で、右下腹部に圧痛と反跳痛とを認める。血液所見:赤血球365万、Hb 13.2g/dL、Ht 35%、白血球12,100(桿状核好中球10%、分葉核好中球72%、好酸球1%、単球3%、リンパ球14%)、血小板19万。血液生化学所見:尿素窒素18mg/dL、クレアチニン0.9mg/dL。CRP 1.2mg/dL。腹部エックス線写真で異常を認めない。腹部超音波検査では腸管ガスのため所見は不明瞭であった。
次に行うべき検査はどれか。
PET/CT
腹部造影CT
腹部血管造影検査
カプセル内視鏡検査
下部消化管内視鏡検査

解答: b

110E54の解説

「右下腹部に移動する腹痛」という記載から急性虫垂炎を考える。手術歴の記載もなく、78歳で発生しているため、悪性腫瘍の存在も視野に入れて検査を行う。
a 悪性腫瘍の全身転移をみるために有用であるが、まずは急性虫垂炎自体を評価したい。
b 正しい。急性虫垂炎自体も描出可能である上、腹部の悪性腫瘍も発見できる。
c 動脈塞栓など、血管の病態に有効。
d 小腸病変に有効。
e 大腸癌は発見できる可能性があるが、まずは急性虫垂炎自体を評価したい。

正答率:93%

テーマ:急性虫垂炎の検査

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