110D33

救急隊から患者受入要請があった。傷病者は30歳の男性。マンホールに入って作業を開始し、数分してから意識を失って倒れた。同僚が命綱を引っ張って救助したが意識はない。救急隊の接触時、意識レベルはJCS III-300。体温36.0℃。脈拍80/分、整。血圧120/80mmHg。呼吸数8/分。SpO2 100%(リザーバー付マスク10L/分 酸素投与下)。けいれんや不随意運動はないという。作業現場は乾燥しており着衣に液体や固体による汚染はない。倒れた原因を現場で調査中である。
患者の病院到着時にまず行うべきなのはどれか。
原因が判明するまで患者を救急車内で待機させる。
シャワーで全身を洗って除染する。
酸素を止め動脈血ガス分析を行う。
頭部CTを行う。
気道確保を行う。

解答: e

110D33の解説

「マンホール作業時の失神」という記載からは①酸素欠乏、②硫化水素中毒、の2つを考える。本問ではいずれかの診断をつけさせる以前の救急対応を問うている。
a 呼吸数が8/分と著明に低下しており、待機できる状況ではない。
b 「作業現場は乾燥しており着衣に液体や個体による汚染はない」とあり、除染は不要と考えられる。
c 呼吸数が8/分と著明に低下しており、リザーバー付マスク10L/分の酸素下でSpO2が保たれているのが現状である。この時点で酸素を止めてはならない。
d JCS III-300と高度意識障害があり、現時点での頭部CTは優先度が低い。
e 正しい。呼吸数が8/分と著明に低下しており、気道確保が必要となる。

正答率:74%

テーマ:マンホール作業時の意識消失患者への対応

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