110D32

26歳の女性。2週前から動悸が続くことを主訴に来院した。階段昇降時に息切れが出現する。喘息の既往はない。体温37.3℃。脈拍120/分、整。血圧158/60mmHg。頸部に弾性硬のびまん性の甲状腺腫を認める。甲状腺に圧痛はない。心音に異常を認めない。赤沈15mm/1時間。血液所見:赤血球420万、Hb 13.0g/dL、Ht 42%、白血球6,000。血液生化学所見:TSH 0.1μU/mL(基準0.2〜4.0)、FT4 4.6ng/dL(基準0.8〜2.2)、TRAb 1.0U/L(基準1.0以下)。CRP 0.2mg/dL。心電図は洞頻脈。胸部エックス線写真で心胸郭比は42%、肺野に異常を認めない。99mTcO4-甲状腺シンチグラムを別に示す。
治療薬として適切なのはどれか。
抗菌薬
β遮断薬
無機ヨード
抗甲状腺薬
副腎皮質ステロイド

解答: b

110D32の解説

TSH低値、FT4高値より甲状腺機能亢進症の鑑別となる。TRAbが陰性であることからBasedow病は否定的。頸部にびまん性・弾性硬の甲状腺腫があること、画像にてシンチの取り込みがみられないこと、圧痛はなくCRPも陰性であること、などを総合して無痛性甲状腺炎の診断となる。
a 細菌感染ではない。
b 正しい。主訴が動悸であるため、頻脈に対する処置として有効。
c・d Basedow病に有効である。
e 亜急性甲状腺炎に有効である。

正答率:63%

テーマ:無痛性甲状腺炎の治療薬

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