110D34

35歳の男性。1か月前の職場の健康診断で血液検査の異常を指摘されて来院した。自覚症状はないが、最近は仕事が忙しく睡眠不足気味であった。既往歴に特記すべきことはない。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球478万、Hb 14.7g/dL、Ht 45%、白血球7,300、血小板21万。血液生化学所見:総蛋白7.5g/dL、アルブミン4.2g/dL、ハプトグロビン45mg/dL(基準19〜170)、総ビリルビン2.9mg/dL、直接ビリルビン0.5mg/dL、AST 21U/L、ALT 16U/L、LD 290U/L(基準176〜353)、ALP 238U/L(基準115〜359)、γ-GTP 22U/L(基準8〜50)、クレアチニン0.7mg/dL、尿酸5.9mg/dL、血糖98mg/dL。HBs抗原陰性、HCV抗体陰性。腹部超音波検査で異常を認めない。
対応として適切なのはどれか。
肝生検
上部消化管内視鏡検査
翌年の健診受診の指示
抗ミトコンドリア抗体測定
内視鏡的逆行性胆管膵管造影〈ERCP〉

解答: c

110D34の解説

自覚症状のない間接ビリルビン上昇であり、若い男性ということも合わせ、体質性黄疸(特にGilbert症候群)を疑う。
a Gilbert症候群の肝生検で異常がみられる可能性は低い。
b 消化管の疾患ではない。
c 正しい。定期的な経過観察でよい。
d 原発性胆汁性胆管炎〈PBC〉で陽性となる。
e 胆管・膵管の障害ではない。

正答率:81%

テーマ:体質性黄疸を疑う患者への対応

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