110A54

6か月の乳児。嘔吐と下痢とを主訴に母親に連れられて来院した。昨日の昼から頻回の嘔吐があり、本日の昼に水様下痢も出現したため受診した。母乳はほとんど飲まず、わずかに飲んでも嘔吐してしまう。患児はぐったりしており、目は落ちくぼんでいる。昨日の夕方から排尿を認めない。1週前に乳児健康診査で測定した体重は7.7kgであったが、本日は7.0kgであった。
この児に適した初期輸液の組成はどれか。2つ選べ
Na+(mEq/L) K+(mEq/L) Cl(mEq/L) Lactate(mEq/L) ブドウ糖(%)
154 0 154 0 0
130 4 109 28 5
35 20 35 20 4.3
30 0 20 10 4.3
0 0 0 0 5

解答: a,b

110A54の解説

嘔吐と下痢により、1週間に約10%の体重減少がある。目は落ちくぼんでおり、循環血液量の低下が予想されるため、ナトリウムを多めに含有した輸液が有用と考えられる。
a 正しい。生理食塩水である。
b 正しい。ブドウ糖加乳酸リンゲルである。
c 3号液。ナトリウム含有量が少ないため不適切。
d 4号液。ナトリウム含有量が少ないため不適切。
e 5%ブドウ糖液。ナトリウム含有量が少ないため不適切。

正答率:52%

テーマ:嘔吐と下痢のある乳児に適した初期輸液組成

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