110A39

72歳の男性。皮膚筋炎のため1か月前から入院中である。副腎皮質ステロイドと免疫抑制薬とを内服している。2日前に痛みを伴う皮疹が左上腹部に出現し、1日前から抗ウイルス薬の全身投与を開始した。今朝、体幹と四肢とに多発する孤立性の皮疹を認めた。胸腹部の写真を別に示す。
この患者への対応で正しいのはどれか。
個室隔離が必要である。
アスピリンは禁忌である。
直ちにワクチン接種を行う。
副腎皮質ステロイド内服を直ちに中止する。
皮疹には副腎皮質ステロイド外用薬を使用する。

解答: a

110A39の解説

副腎皮質ステロイドと免疫抑制薬を投与されている高齢男性に痛みを伴う皮疹が出現している。画像では神経走行に沿っていると思われる皮疹がみられるが、3分節以上に渡り広範に出現している。播種性帯状疱疹の診断。
a 正しい。水痘・帯状疱疹ウイルス〈VZV〉は空気感染する。
b 小児のVZV感染にアスピリン投与は禁忌となる(Reye症候群の惹起)が、本患者では特に問題ない。
c すでに症状が出現しており、現時点でのワクチン接種は無効。
d 副腎クリーゼを惹起しかねないため、禁忌である。
e 抗炎症作用を狙い、帯状疱疹に副腎皮質ステロイド外用を行う臨床家も一部いるが、一般的とはいえない。

正答率:40%

テーマ:播種性帯状疱疹への対応

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