【参考】93F28に以下のような問題がある。
79歳の男性。生来健康であった。2週前から四肢に出血斑が出現していたが、数日前から出血斑が全身に広がったため来院した。家族に出血傾向を示す者はいない。血液所見:赤血球453万、Hb 12.3g/dl、Ht 37.7%、白血球6700、血小板19万。出血時間1分30秒(基準7分以下)、PT 10.7秒(基準対照11.3)、APTT 108秒(基準対照32.2)、血漿フィブリノゲン444mg/dl(基準200〜400)、血清FDP4μg/ml(基準5以下)。抗カルジオリピン抗体陰性。
最も考えられるのはどれか。
a 血友病A
b von Willebrand病
c 抗リン脂質抗体症候群
d 循環抗凝固因子による出血傾向
e 播種性血管内凝固
当時は消去法で何となくdを正答としていたのだが、109I56に照らして考えてみるに、後天性血友病(第VIII因子に対する自己抗体産生が原因)のことを言っていたのかもしれない。このように昔の問題で、業界自体がやんわり流していた問題であっても、後々脚光を浴びることが多々あり、国試分析というのは面白い。
正答率:79%
テーマ:後天性血友病の診断