109I55

7か月の乳児。頻回のけいれん発作を主訴に母親に連れられて来院した。母親の妊娠・分娩経過に異常なく、定頸は5か月であった。6か月ころより首を前に倒すようなけいれん様発作が1日に何度も出現するようになった。身長67.0cm、体重8.0kg。体温36.5℃。脈拍116/分、整。血圧80/46mmHg。呼吸数24/分。SpO2 98%(room air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。体幹と殿部とに白斑を5個認める。血液所見:赤血球400万、Hb 10.5g/dL、Ht 38%、白血球10,000、血小板25万。頭部単純CTで脳室周囲の石灰化像を認める。
最も考えられるのはどれか。
結節性紅斑
結節性硬化症
Sturge-Weber病
von Hippel-Lindau病
Werdnig-Hoffmann病

解答: b

109I55の解説

「首を前に倒すようなけいれん様発作」はシリーズ形成と呼ばれる、West症候群〈点頭てんかん〉のキーワードである。また、「白斑」や「脳室周囲の石灰化」といったキーワードからも、結節性硬化症の診断は可能である。
a 読み違え注意。結節性紅斑はBehcet病やHansen病などでみられる。
b 正しい。上記の通り。
c Sturge-Weber病では脳溝に沿った石灰化をみる。また、三叉神経領域の血管腫や牛眼による緑内障をみる。
d 小脳や腎の血管芽腫をみる。
e 下位運動ニューロンに限定した神経障害をみる。

【参考】「脳溝に沿った石灰化」であればSturge-Weber病、という知識は遥か昔に出題あり(75B21)。
(75B21) 
 エックス線所見について適切な組合せはどれか。(正答:すべて) 
 (1) 頭蓋内脳溝脳回様石灰化 − Sturge-Weber病 
 (2) 頭蓋冠多発性骨溶解像 − 多発性骨髄腫 
 (3) 椎間孔の拡大 − 神経線維腫
 (4) 椎弓根の欠損 − 癌の椎骨転移

正答率:83%

テーマ:結節性硬化症の診断

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