109H29

78歳の男性。テレビ番組の録画がうまく出来なくなったことを主訴に来院した。これまで自分の好きなテレビ番組をこまめに録画していたが、最近はほとんど録画しなくなったため心配した妻とともに受診した。妻の話によると録画装置の使い方が分からなくなったようだという。日常生活では特に問題はないが、最近、同じことを何度も聞くようになり、遠方の娘から電話がかかってきたことを忘れていることがあるという。妻と2人暮らし。60歳ころから糖尿病の治療のため外来にはバスを利用して1人で通院している。脈拍84/分、整。血圧126/84mmHg。四肢に運動麻痺を認めない。腱反射は正常である。
この患者にみられる高次脳機能障害はどれか。
幻覚
失語
妄想
せん妄
遂行機能障害

解答: e

109H29の解説

同じことを何度も聞くようになり、遠方の娘から電話がかかってきたことを忘れているとのこと。認知症のはしりであろう。
a~d 本文中にこれらを考えさせる記述はない。
e 正しい。「録画装置の使い方が分からなくなった」とは、「見たい番組を決めて、その番組コードを調べて、テレビに入力する」という一連の流れを遂行できなくなった、ということである。

正答率:97%

テーマ:Alzheimer型認知症患者にみられる高次脳機能障害(遂行機能障害)

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