109A26

44歳の女性。左眼の視力低下を主訴に来院した。3日前に左眼が見えにくくなったことに気付いた。外傷の既往はない。身長179cm、体重60kg。矯正視力は右1.5、左0.5。左眼の細隙灯顕微鏡写真(散瞳下、徹照による観察)を別に示す。眼底に異常を認めない。
この疾患で見られる可能性が高いのはどれか。
クモ指
関節炎
胸腺腫瘍
陰部潰瘍
知的障害

解答: a

109A26の解説

画像では水晶体の偏位がみられている。44歳女性で身長179cmと高身長を呈していることと合わせ、Marfan症候群を考える。「外傷の既往がない」とのことで外傷性の水晶体脱臼は否定的。ホモシスチン尿症でも水晶体偏位がみられることはあるも、本邦での患者発見頻度は約1/80万と非常に低く(参考:Marfan症候群は約1/5千)、かつ先天性マススクリーニングで発見されうる病態なのでここでは第一に考えるものではない。
a 正しい。本疾患ではクモ指を合併しやすい。
b 関節弛緩はみるも、関節炎はみられない。
c 漏斗胸はみるも、胸腺腫瘍はみられない。
d 陰部潰瘍はBehcet病でみる。
e 知的障害はホモシスチン尿症でみられる。ホモシスチン尿症ではMarfan症候群様体型もみられるため、これを考えるとaとeが両方正解となり、そもそも問題として成立しない。

正答率:89%

テーマ:Marfan症候群の症候

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