108I53

31歳の男性。左股関節部痛を主訴に来院した。半年前から誘因なく歩行時に左股関節部の痛みが出現した。安静時痛はない。25歳時から膠原病の診断にて副腎皮質ステロイドの内服治療を開始し、現在まで継続している。プレドニゾロン内服量は最大で60mg/日で、現在は10mg/日であるという。身長170cm、体重75kg。体温36.3℃。脈拍64/分、整。左股関節の運動時痛を認める。左股関節の可動域は屈曲110°、伸展0°、外転20°、内転15°。来院時の股関節エックス線写真を別に示す。
考えられるのはどれか。
大腿骨近位部骨折
大腿骨頭壊死症
Perthes病
骨嚢腫
骨膿瘍

解答: b

108I53の解説

誘因なく股関節部痛が出現しているとはあるが、副腎皮質ステロイドの内服をしており、これが原因と考えられる。副腎皮質ステロイドが原因となる整形外科疾患として特発性大腿骨頭壊死症は覚えておくべきである。股関節のエックス線写真では帯状硬化像がみられる。
a 大腿骨近位部骨折には外傷など誘因が存在する。
b 正しい。上記の通り。
c Perthes病は5~10歳の男児にみられる。104D40に出題があるため、画像を含め参照されたい。
d・e 骨嚢腫や骨腫瘍を思わせる骨透亮像はない。

正答率:91%

テーマ:大腿骨頭壊死症の診断

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