108I16

ボツリヌス中毒で認められないのはどれか。
縮瞳
眼瞼下垂
輻湊障害
対光反射消失
眼球頭反射消失

解答: a

108I16の解説

ボツリヌス中毒により神経筋接合部〈NMJ〉におけるアセチルコリン放出が阻害される。アセチルコリンは副交感神経系の神経伝達物質であるため、これが阻害されることで相対的に交感神経が優位となる。脳神経の中でも動眼神経は副交感神経を含むことが知られており、本問では「動眼神経麻痺でみられないものは?」と実質的に読み替えて回答することが可能。
a 誤り。散瞳をみる。
b 動眼神経麻痺により上眼瞼挙筋が機能低下し、眼瞼下垂をきたす。
※なお、上瞼板筋は交感神経で支配されており、上眼瞼挙筋と協調して眼瞼を挙上する働きを担っている。この知識を持っていると「今回は交感神経が相対的に優位になるため、眼瞼下垂しないのではないか?」とふと考えてしまう。が、眼瞼挙上に関与するパワーは上眼瞼挙筋の方が強い。ゆえに、この綱引きの関係でボツリヌス中毒では一般に眼瞼下垂する。
c 動眼神経麻痺により内側直筋が機能低下し、輻湊障害をきたす。
d 動眼神経麻痺により対光反射が消失する。
e 動眼神経麻痺により外眼筋が機能低下し、眼球頭反射が消失する。

正答率:59%

テーマ:ボツリヌス中毒で認められない症候

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