107I79

62歳の女性。歩行時のふらつきを主訴に来院した。4週前にくも膜下出血を発症し、脳動脈瘤に対して開頭動脈瘤クリッピング術を受けた。経過は良好であったが、家族の話では、最近自発性が低下し、トイレの回数が増えているという。意識は清明。歩行は開脚歩行である。頭部単純CTで脳室拡大を認める。
この疾患で認められるのはどれか。2つ選べ
尿失禁
視野狭窄
瞳孔異常
嚥下障害
認知機能障害

解答: a,e

107I79の解説

くも膜下出血〈SAH〉発症4週後から、①失調歩行、②自発性低下、③切迫性尿失禁(トイレの回数が増えていることから)がみられている。SAH後に生じる合併症を鑑別するが、頭部単純CTで脳室拡大を認めていることから正常圧水頭症〈NPH〉と考えられる。
a・e 正しい。①歩行障害、②認知機能障害、③尿失禁はNPHの3徴である。
b 高度の脳圧亢進により、視路が障害を受けた場合には視野狭窄をみる。NPHでは文字通り、そこまでの脳圧亢進をみない。
c・d bと同様に、高度の脳圧亢進で脳神経が障害された場合にこれらをみる可能性がある。

正答率:95%

テーマ:くも膜下出血〈SAH〉後の正常圧水頭症〈NPH〉で認められる症候

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