107I78

62歳の男性。咳嗽を主訴に来院した。6か月前に腹部造影CTで異常を認めたため右腎摘出術を受けた。術前の胸部CTでは異常を認めなかった。1か月前から時々せき込むことがあり心配になり受診した。心音と呼吸音とに異常を認めない。身長175cm、体重72kg。体温36.5℃。脈拍72/分、整。血圧136/82mmHg。呼吸数16/分。SpO2 97%(room air)。血液所見:赤血球420万、Hb 13.4g/dL、Ht 41%、白血球7,500、血小板18万。CRP 0.1mg/dL。胸部単純CTで両肺に複数の腫瘤陰影を認める。右腎摘出前の腹部造影CTを別に示す。
治療薬として適切なのはどれか。2つ選べ
抗菌薬
分子標的薬
シスプラチン
インターフェロン
副腎皮質ステロイド

解答: b,d

107I78の解説

6か月前に右腎摘出術を受けており、画像からも右腎細胞癌であったと言える。1か月前から咳嗽が出現し、胸部単純CTで両肺に複数の腫瘤陰影がみられることから、肺転移をきたしたと考えられる。
a 細菌感染ではない。
b 正しい。ソラフェニブやスニチニブといった分子標的薬が有効である。
c シスプラチンは抗癌剤であるが、腎細胞癌には無効。
d 正しい。転移した腎細胞癌ではサイトカイン療法が有効である。
e 血液腫瘍に対して使用されることはあるも、腎細胞癌には無効。

正答率:63%

テーマ:肺転移した腎細胞癌〈RCC〉の治療薬

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし