107D40

33歳の2回経妊1回経産婦。無月経を主訴に来院した。経腟超音波検査で子宮内に胎嚢と心拍とが確認され、妊娠6週4日の単胎妊娠と診断した。妊娠9週2日に施行した経腟超音波検査で子宮内胎児死亡と絨毛膜の異常とが確認されたため子宮内容除去術を行った。術前の血中hCG値は397,100mIU/mL。妊娠9週2日の経腟超音波像(A)と子宮内組織のH-E染色標本(B、C)とを別に示す。
診断はどれか。
絨毛癌
進行流産
全胞状奇胎
存続絨毛症
部分胞状奇胎

解答: e

107D40の解説

血中hCG値の高度上昇している。画像より絨毛膜の異常の原因を絞り込むこととなる。画像Aでは胎嚢の変形に目が行ってしまうが、実はその下にある嚢胞の集簇がポイント。胞状奇胎を考えさせる。画像Bでは絨毛細胞の増殖を、画像Cでは胎児赤血球を指摘できる。胎児成分を残す胞状奇胎であるため、部分胞状奇胎の診断となる。
a 絨毛癌では画像Bのような絨毛構造を残さない。
b 進行流産ではhCGの高度上昇はみられない。
c 全胞状奇胎では胎児成分が存在しない。
d 存続絨毛症は原因の同定ができないhCG高値をみる。
e 正しい。上記の通り。

正答率:70%

テーマ:部分胞状奇胎の診断

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