107D39

53歳の女性。下腹部のしこりを主訴に来院した。経腟超音波検査と腹部MRIとで両側卵巣に充実性の腫瘤と少量の腹水とを認める。腫瘍マーカーはCEA 15.7ng/mL(基準5以下)、CA19-9 17.5U/mL(基準37以下)、CA125 56.7U/mL(基準35以下)。開腹時の腹部写真(A)と摘出された卵巣腫瘍のH-E染色標本(B)とを別に示す。
診断を確定するために追加すべき検査として最も適切なのはどれか。
頭部CT
胸部CT
マンモグラフイ
上部消化管内視鏡検査
下部消化管内視鏡検査

解答: d

107D39の解説

CEA優位な上昇をみる卵巣腫瘍(画像A)であり、画像Bでは印環細胞の出現がある。Krukenberg腫瘍を考えたい。設問は「診断を確定するため」とあるが、出題者は「原発巣の同定のため」と言いたかったと思われる(原発巣あってのKrukenberg腫瘍なので、間違っている表現とまでは言えないが)。
a 脳腫瘍由来ではない。
b 肺や心臓腫瘍由来ではない。
c 乳癌由来ではない。
d 正しい。胃癌からの転移が最多である。
e 下部消化管由来のKrukenberg腫瘍はまれである。

正答率:90%

テーマ:Krukenberg腫瘍の診断確定のために追加すべき検査

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