107D33

57歳の女性。3年前から糖尿病と胆石症とを指摘されている。胆石症の経過観察として外来で行われていた腹部超音波検査中に突然強い頭痛と動悸とを訴え苦しがり始めた。意識は清明。脈拍120/分、整。血圧240/160mmHg。呼吸数20/分。著明な発汗と四肢末梢の冷感とを認める。治療によって症状が安定した後に実施した腹部造影CTを別に示す。
考えられるのはどれか。
腎細胞癌
肝細胞癌
褐色細胞腫
インスリノーマ
原発性アルドステロン症

解答: c

107D33の解説

発作性の強い頭痛と動悸。画像では左腎上部に腫瘤がみられており、褐色細胞腫を考えたい。本疾患では造影剤が発作を誘発するため、造影CTは禁忌なのだが、「治療によって症状が安定した後」だから撮影したということであろう。胆石症の既往を設定した理由は不明だが、褐色細胞腫に脂質異常症を合併しやすいことや、MEN IIAで副甲状腺機能亢進症を合併しやすいことなどが考えられる。単にエコーをとる口実が欲しかっただけかもしれない。
a 腎細胞癌のCTは105I44を参照。腎との連続性があり、実質ほどではないが造影効果もある。
b・d 肝・膵に腫瘍はみられない。
c 正しい。上記の通り。
e 原発性アルドステロン症の副腎腺腫はここまで大きくならない。

正答率:92%

テーマ:褐色細胞腫の診断

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