106I50

78歳の男性。突然の意識消失を繰り返すことを主訴に来院した。発作は約3か月前からみられ、頻度は2週に1回程度であるという。薬は服用していない。来院時、意識は清明。脈拍52/分、整。血圧116/68mmHg。身体診察所見、胸部エックス線写真および12誘導心電図に異常を認めない。携帯型心電図記録計による症状発現時の心電図を別に示す。
治療として適切なのはどれか。
β遮断薬の投与
抗コリン薬の投与
植え込み型除細動器の留置
心臓ペースメーカーの留置
カテーテルアブレーション

解答: d

106I50の解説

意識消失を繰り返す78歳男性。携帯型心電図記録計では洞停止を認めており、洞不全症候群〈SSS〉の診断である。
a β遮断薬は房室伝導を抑制するため病態を悪化させる。本症例は内服している薬はないとのことだが、実臨床にて遭遇した場合、内服薬に含まれていれば直ちに中止すべき薬剤である。
b 抗コリン薬は心拍数を上昇させるため徐脈に有効だが、一時的なものであり、根本解決にはならない。
c 心室頻拍や心室細動といった致死性不整脈に対する治療法である。
d 正しい。失神歴も認めており、心臓ペースメーカー留置の適応である。
e カテーテルアブレーションは心房細動やWPW症候群といった頻脈性の不整脈に対する治療法である。

正答率:93%

テーマ:洞不全症候群〈SSS〉の治療

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