106G58

16歳の男子。全校集会で長時間立位でいた後、失神して倒れたため母親に伴われて校医を受診した。失神前に悪心と胸痛とを自覚したという。目撃者によると意識は1分以内に回復し、すぐに立ち上がることができた。2年前にもランニング中に失神したことがあった。母方の叔父が突然死しているという。身体診察所見で異常を認めない。校医は専門医療機関に紹介した。
校医が専門医療機関に紹介する根拠となった病歴はどれか。3つ選べ
長時間の立位後の失神
失神前の胸痛
失神の持続時間
運動中の失神
突然死の家族歴

解答: b,d,e

106G58の解説

失神精査のため来院した思春期男子。精査が必要な根拠となった病歴を問う問題である。血管迷走神経反射〈VVR〉であれば成長に伴い消失する可能性があるため、経過観察でよい。が、何かしらの背景となる心疾患が存在するとしたら、早急な対処が必要だ。
a 長時間の立位後の失神はVVRを疑う所見であるため精査が必要な根拠とはならない。
b 正しい。失神前の胸痛は心疾患を疑う根拠となる。
c 失神の持続時間は1分以内であり、VVRに矛盾しない。
d 正しい。運動中の失神はQT延長症候群など心疾患を疑う病歴である。
e 正しい。遺伝性心疾患を疑う根拠であり、必ず精査を行う。

正答率:88%

テーマ:血管迷走神経反射〈VVR〉では説明がつかない所見

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