106A54

20歳の男性。3年前からつまずきやすくなったことを主訴に来院した。両足関節の背屈が困難で、足尖が下垂している。凹足と下腿筋萎縮とを認める。同伴した父親にも軽度の下腿筋萎縮を認める。
対応として適切なのはどれか。2つ選べ
短下肢装具の処方
神経ブロックの施行
経皮的電気刺激の施行
下肢の関節可動域訓練
副腎皮質ステロイドの投与

解答: a,d

106A54の解説

若年男性のつまづきやすさ。下垂足は前脛骨筋の機能低下を示唆する。凹足や下腿筋萎縮とも合わせ、遠位筋優位の筋力低下が指摘可能。父親も同様の症状があることから、遺伝性疾患を考える。Charcot-Marie-Tooth病〈CMT〉が考えやすい。
a 正しい。肢位の改善、関節変形防止のために短下肢装具を着用する。
b 神経ブロックは痛み止めに用いる。本症例では疼痛はみられておらず、適応とならない。
c 低周波を通電することで疼痛緩和を図る電気療法の一種。b同様、痛みがない以上、適応とはならない。
d 正しい。萎縮の進行を防止すべく、関節可動域訓練が有用。
e CMTに副腎皮質ステロイドは一般に使用されない。

正答率:78%

テーマ:Charcot-Marie-Tooth病の対応

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