Charcot-Marie-Tooth病の臨床像において、穂澄先生は「同伴した父親にも軽度の下腿筋萎縮を認める」に対して表現促進現象がみられるかもとおっしゃっていました。
Charcot-Marie-Tooth病もトリプレットリピート病なんですか?
下記ページ、「4. シャルコー・マリー・トゥース(CMT)遺伝性ニューロパチーの家族に対する遺伝カウンセリング」の「発端者の両親」という項目をお読みください。特に「親が発症前に死亡していたり、罹患した親の疾患の発症が遅かったりするために、家族歴が陰性に見える場合がある」という部分の周辺が参考になると思います。これを「表現促進現象である」と断じてよいものかは定かではありませんが(遺伝学者さんには怒られてしまうかもしれませんが)、同じようなものと枠組みを押さえることは問題ないものと考えます。
http://grj.umin.jp/grj/cmt.htm
また、CMTがトリプレットリピート病か否か、という件については同じく上記リンク先「2. シャルコー・マリー・トゥース(CMT)遺伝性ニューロパチーの原因」を御覧ください。おびただしい数のバリエーションがあり、2016〜2018年と比較的最近アップデートされているようです。まだまだ未知の病態も多い研究途中の分野なのでしょう。
以上を総合的にふまえ、「もしかしたら〜あるのかもしれませんね」という確定ではないが、そういう素因があるのかもね、といった表現を講義内では用いました。
(やはり講義内の解説の繰り返しになってしまいますが)もし同伴した父親も本患者と同じく20歳ころに発症したのであれば、現在の下腿筋萎縮に対して「軽度の」という枕詞をつける必然性がありません。なぜわざわざ「軽度」と付したのかな、という疑問を説明するためには、それ以外の理由が僕は思い浮かびませんでした。
もちろん本問で得点する上では関係ない知識ですので、受講生の方を困惑させてしまったとしたら申し訳ないです。緑字の板書部分は採用せずスルーいただいても大丈夫です!
※なお、国試対策としては「CMTはトリプレットリピート病である」と覚えるべきではありません。
ご返信ありがとうございます!
穂澄先生のご説明でモヤモヤがすっきりしました!
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