106A47

63歳の女性。未経妊。血性帯下の増量を主訴に来院した。6か月前から少量の褐色帯下に気付いていたという。50歳で閉経した。身長152cm、体重68kg。血液所見:赤血球430万、Hb 13.1g/dL、Ht 39%、白血球8,800、血小板24万。免疫学所見:CA19-9 68U/mL(基準37以下)、CA125 54U/mL(基準35以下)。子宮内膜組織診で高分化型類内膜腺癌が検出された。骨盤部MRIのT2強調矢状断像を別に示す。
治療として最も適切なのはどれか。
子宮全摘出術
子宮動脈塞栓術
全骨盤放射線照射
シスプラチンの投与
黄体ホルモンの投与

解答: a

106A47の解説

血性帯下が増量している高齢女性である。未経妊であり50歳で閉経している。CA19-9 68U/ml、CA125 54U/mlであり、子宮内膜組織診で高分化型類内膜腺癌が検出されている。骨盤部MRIのT2強調矢状断像では体部に限局した子宮内膜の肥厚がみられ、子宮体癌の診断となる。
a 正しい。増殖は体部に限局しており、子宮全摘出術の適応となる。
b 子宮動脈塞栓術は異所性妊娠など止血困難時に行う治療であり、本例では出血傾向もないため不適である。
c・d 放射線化学療法は小骨盤部への浸潤や他臓器への転移がみられた場合に適応となる。
e 挙児希望のある若年女性でみられた子宮内膜増殖症では用いられることがある。しかしながら本症例では手術が選択されるべきである。

正答率:93%

テーマ:子宮体癌の治療

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