105I64

70歳の男性。のどの違和感と出血とを主訴に来院した。数日前からのどに違和感があり、昨日のどの奥から出血があった。喫煙は40本/日を30年間であったが、3年前から禁煙している。飲酒は日本酒2合/日を45年間。3年前に膀胱癌治療の既往がある。体温37.2℃。嗄声はない。頸部リンパ節を触知しない。血液所見:赤血球436万、Hb 13.5g/dL、Ht 41%、白血球5,800、血小板35万。CRP 0.3mg/dL。頸部造影CTでリンパ節の腫大を認めない。喉頭内視鏡写真(A)と生検組織のH-E染色標本(B)とを別に示す。
治療法として適切なのはどれか。
凍結療法
放射線治療
抗菌薬投与
抗ウイルス薬投与
喉頭・下咽頭全摘術

解答: b

105I64の解説

披裂部に出血と伴う表面不整な腫瘤を認める。H-E染色標本では核異型や核の大小不同を認め、悪性腫瘍の所見である。
a 腫瘍を凍結することで壊死させる。保険適応内なのは小径の腎細胞癌である。
b 正しい。頭頸部癌では扁平上皮癌が大半を占め、多くが放射線治療が適応で第一選択となる。
c・d 感染症ではないので意味がない。
e 喉頭内で声帯固定がある場合、もしくは喉頭以外へ浸潤している場合では喉頭全摘出術となる。早期癌の手術では部分摘出が選択される。

正答率:71%

テーマ:喉頭癌の治療

フォーラムへ投稿

関連トピック