105H37

次の文を読み、37、38の問いに答えよ。
7歳の女児。発熱と咽頭痛とを主訴に来院した。
現病歴:昨夕から発熱と咽頭痛とが出現した。咳嗽や鼻汁はない。嚥下痛はあるが飲水は可能である。
既往歴:ペニシリン系抗菌薬で全身に蕁麻疹を生じたことがある。
家族歴:特記すべきことはない。
現 症:意識は清明。体温39.2℃。脈拍104/分、整。血圧98/62mmHg。眼球結膜に充血を認めない。白苔を伴う両側の扁桃腫大とイチゴ舌とを認める。両側の前頸部に圧痛を伴う腫大したリンパ節を数個触知する。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。四肢と顔面とに皮疹や浮腫を認めない。
検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球470万、Hb 12.8g/dL、Ht 39%、白血球14,500(好中球87%、好酸球1%、単球4%、リンパ球8%)、血小板22万。血液生化学所見:尿素窒素14mg/dL、クレアチニン0.5mg/dL、AST 24U/L、ALT 21U/L、LD 325U/L(基準280~588)、ALP 512U/L(基準338~908)、Na 142mEq/L、K 4.2mEq/L、Cl 101mEq/L。CRP 9.2mg/dL。
投与すべき抗菌薬はどれか。
ペニシリン系
マクロライド系
ニューキノロン系
アミノグリコシド系
テトラサイクリン系

解答: b

105H37の解説

発熱と咽頭痛とを主訴に来院した7歳女児。検査所見では好中球優位に白血球が増加し、CRPも9.2mg/dlと上昇していることから細菌感染を疑う。白苔を伴う両側の扁桃腫大とイチゴ舌とを認めることから溶連菌感染症(猩紅熱)と診断する。
a ペニシリン系は溶連菌感染症の第一選択薬であるが、同薬で蕁麻疹を生じた既往があることから選択してはいけない。
b 正しい。ペニシリン系が使用できない時にはマクロライド系を投与する。
c~e これら薬剤は溶連菌感染症に無効である。

正答率:69%

テーマ:【長文1/2】溶連菌感染で投与すべき抗菌薬

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