104I56

56歳の女性。3回経産。歩行時に腟から球のようなものが出てくることを主訴に来院した。既往歴と家族歴とに特記すべきことはない。外陰部の診察で腟前壁と子宮頸部とが腟口から球状に飛び出している。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、沈渣に赤血球1~3/1視野、白血球0~2/1視野。
みられるのはどれか。
血便
性交痛
排尿痛
排尿困難
不正出血

解答: d

104I56の解説

歩行時に腟から球のようなものが出てくるという中年女性である。外陰部の診察で腟前壁と子宮頸部とが腟口から球状に飛び出していることから子宮脱の診断となる。
a 直腸や肛門には異常はなく、血便はみられない。
b 膣脱出により性交障害はあるも、子宮脱のみでは性交痛は生じない。
c 膀胱炎を示唆するような所見はなく、排尿痛は自覚しない。
d 正しい。子宮の脱出により頻尿や排尿困難を生じる。
e 脱した性器による出血は考えられるが頻度は少なく、本例ではみられない。
107I70ではdの選択肢で「性器出血」がみられる扱いとなっている。本問の選択肢eとはやや矛盾するが、出題者のさじ加減によって解答がばらつくことは国家試験の歴史をみてもよくあることだ。その場その場で指定された個数の選択肢を最も適切と考えられる順に選ぶ習慣を身につけよう。

正答率:66%

テーマ:子宮脱の症状

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