104G55

72歳の男性。呼吸困難のため搬入された。1か月前から労作時の息切れを感じていた。1週前から就寝中に咳が出て息苦しくなり目が覚めることがあった。前日から座っていても息苦しさを生じるようになった。高血圧と心筋梗塞との既往がある。喫煙歴はない。診察時には苦悶様であり、咳と喘鳴とを認める。意識は清明。体温36.0℃。脈拍108/分、整。血圧170/104 mmHg。心尖部に2/6度の収縮期逆流性雑音を聴取し、両肺でcoarse cracklesを広範囲に聴取する。
診断に有用な診察所見はどれか。3つ選べ
奇脈
頸静脈怒張
胸部の鼓音
III音
浮腫

解答: b,d,e

104G55の解説

1か月前から労作時息切れを自覚している72歳男性。起坐呼吸が出現しており、両肺でcoarse cracklesを聴取するため肺水腫をきたしている。既往に心筋梗塞があり、主な心不全の原因であろう。
a 奇脈は心タンポターデで認める所見。
b 正しい。右心不全症状として頸静脈怒張を確認する。
c 胸部の鼓音は慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉で認める。
d 正しい。心不全の増悪で左室容量負荷を表すIII音を聴取する。
e 正しい。右心不全症状として浮腫を確認する。

正答率:88%

テーマ:うっ血性心不全の診察所見

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