104G54

65歳の男性。右眼の急激な視力低下を主訴に来院した。視力は右0.04(矯正不能)、左1.0(矯正不能)。両眼の前眼部、中間透光体および左眼底に異常を認めない。血液検査と尿検査とに異常を認めない。心房細動に対して抗凝固薬を内服中である。右眼底写真(A)と右眼の視野検査の結果(B①〜⑤)とを別に示す。
この患者でみられるのはどれか。

解答: e

104G54の解説

急性発症の視力障害であり、眼底写真では黄斑のcherry red spotを認める。厚さの薄い黄斑で脈絡膜の血管が透け、網膜中心動脈閉塞症によって血流のなくなった周囲の網膜と比較して赤くみえる状態である。
a 垂直経線でくっきりと耳側半盲となっている。両眼で耳側半盲であれば下垂体腫瘍が疑われ、左眼が鼻側半盲であれば右同名半盲で左後頭葉の病変が疑われる。
b 水平経線をこえない鼻側階段であり緑内障で認められる視野障害である。
c 周辺の視野と中心視野が残っている。輪状暗点であり、網膜色素変性症でみられる。
d 耳上側の視野が低下している。これだけでは原因はわからない。
e 正しい。網膜中心動脈閉塞症でみられる中心暗点である。

正答率:70%

テーマ:網膜動脈分岐閉塞症の視野異常

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