103I77

56歳の女性。皮膚掻痒感を主訴に来院した。3年前の健康診断で肝機能異常を指摘されたが放置していた。輸血歴はない。服薬歴に特記すべきことはない。飲酒は機会飲酒。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球340万、Hb 11.6 g/dL、血小板14万。血液生化学所見:総蛋白7.7 g/dL、アルブミン4.2 g/dL、総ビリルビン1.8 mg/dL、AST 56 U/L、ALT 65 U/L、ALP 935 U/L(基準115~359)、γ-GTP 616 U/L(基準8~50)。免疫学所見:HBs抗原陰性、HCV抗体陰性。肝生検組織のH-E染色標本を別に示す。
診断に最も有用なのはどれか。
抗核抗体
抗DNA抗体
抗RNP抗体
抗平滑筋抗体
抗ミトコンドリア抗体

解答: e

103I77の解説

皮膚掻痒感と肝機能障害を呈している56歳女性。B型肝炎、C型肝炎を示唆する所見は認めず、輸血歴や薬剤性、飲酒歴もなし。肝生検組織標本では慢性非化膿性破壊性胆管炎を認めるため、原発性胆汁性胆管炎〈PBC〉を疑う。
a 抗核抗体よりも抗ミトコンドリア抗体の方が特異度が高いとされる。
b 全身性エリテマトーデス〈SLE〉で有用。
c 混合性結合組織病〈MCTD〉で有用。
d 自己免疫性肝炎で有用。
e 正しい。抗ミトコンドリア抗体陽性はPBCで特徴的な所見である。

正答率:88%

テーマ:原発性胆汁性胆管炎〈PBC〉の診断に有用な検査項目

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