抗核抗体とは、文字通り「核に含まれる抗原に対する抗体」を総称したものです。ですから抗DNA抗体も抗核抗体の中に含まれます。
国試的にはPBCではなくAIHで抗核抗体陽性という出題がありますし、診断指針にも入っています。ただしもちろんPBCでも抗核抗体が陽性になることはあります。
103I77では「診断に最も有用」な抗体を選ぶ問題ですので、抗ミトコンドリア抗体が正解です
(uptodateでは、AMA(抗ミトコンドリア抗体) are present in almost all patients with PBC. ANA(抗核抗体) are also common and found in up to 70 percent of patients with PBC.との記載ですね)
以下参考ですが
抗核抗体は健常者でも多くが陽性になります(特に若年女性では2、3割は陽性)し、一部の薬剤(経口避妊薬やイソニアジドやフェニトイン、ヒドララジンなど)でも陽性になりますし、肝硬変や癌があれば陽性になりえます。
ゆえに膠原病の所見なしで抗核抗体高倍率⇨膠原病の可能性大 とはならないので注意が必要です。
一方、膠原病であっても必ずしも抗核抗体陽性にはならない(MCTDやSLEなんかでは陽性が多いですが)です。
そのような性質のため、本問のような「診断に最も有用」としては選びにくいかと思われます。
また抗核抗体は染色パターンからいくつかのパターン(辺縁型とか斑紋型とか)に分けられて、kkk47さんのおっしゃるDNA抗体は辺縁型に入ります(詳しくは成書等調べてみてください)。97I36などではこれが出題されていますが、medu4講座でも扱われていませんし古い問題ですから「国試的には」不要ということでしょう。
97I-36は「あたらしい内科外科④免疫」で扱っていますし、抗核抗体についても講義内で解説しています。そちらをご覧いただければ今回の質問内容は解決されるはずです。
今回の質問者はmedu4講座を受講いただいていないようでしたので、運営側からの返信対象とはしていませんでした。
※medu4講座で解説している内容をそのまま非受講者にフォーラムで解説することは平等性の観点から控えさせてもらっています。
もちろんフォーラム利用者間でコメントし合うのは全然OKです。
今回は『medu4講座でも扱われていませんし古い問題ですから「国試的には」不要』という投稿をいただいたため、他の受講生への誤解とならないようコメントさせてもらいました。
@やーせ・。・ 気を悪くしたらすみません! いつも助かっています!!
ご丁寧なご対応ありがとうございました。
あたらしい内科外科④免疫、参考にさせていただきます。
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