103G46

70歳の女性。突然の呼吸困難のため搬入された。足が不自由で家で寝ていることが多い。意識は清明。身長152cm、体重60kg。体温36.5℃。呼吸数40/分。脈拍140/分、整。血圧90/60mmHg。心音でII音亢進。腹部は平坦で、圧痛と抵抗とを認めない。肝・脾を触知しない。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH 7.46、PaO2 68Torr、PaCO2 36Torr。心電図でII、III、aVFのST上昇、V1-3のST変化を認めた。
考えられるのはどれか。2つ選べ
心タンポナーデ
肺血栓塞栓症
緊張性気胸
心筋梗塞
心筋炎

解答: b,d

103G46の解説

突然の呼吸困難のため搬入された70歳女性。足が不自由で家で寝ていることが多く、血栓症のリスクである。動脈血ガス分析でPaO2が68Torr、PaCO2が36Torrであり、肺血栓塞栓症を疑う。心音でII音の亢進は肺高血圧症で説明がつく。しかし、心電図ではII、III、aVFのST上昇を認めることから下壁梗塞も鑑別に挙げる必要がある。
a 心タンポナーデではII音亢進や呼吸困難は認めない。血圧低下や心音減弱をみる、
b 正しい。肺血栓塞栓症を鑑別に挙げる。なお、心電図のV1-3の変化も右室負荷所見として矛盾しない。
c 緊張性気胸では呼吸音の減弱や、打診で鼓音を認めるはず。
d 正しい。心筋梗塞に伴う急性心不全を鑑別に挙げる。
e 心筋炎では前駆感染を認める。

正答率:78%

テーマ:急性呼吸困難の鑑別

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