103G47

50歳の男性。感冒様症状を主訴に来院した。1週前から咳、痰および37 ℃台の発熱が出現し、市販の感冒薬を内服したが改善しなかった。喫煙は60本/日を20年間。意識は清明。身長168 cm、体重55 kg。体温37.6 ℃。脈拍84/分、整。血圧128/72mmHg。顔面と四肢とは紅潮している。心音と呼吸音とに異常を認めない。
血球検査で増加が予想されるのはどれか。2つ選べ
赤血球
好中球
好酸球
好塩基球
リンパ球

解答: a,b

103G47の解説

中年男性の感冒様症状。喫煙は60本/日を20年間とかなり多い。顔面と四肢とは紅潮しており、喫煙による多血症は1つ考えられる。もう1つは......?
a 正しい。赤血球増多が考えやすい。
b・e 感冒により、白血球増多は考えやすい。その際に、細菌感染であればbの好中球が、ウイルス感染であればeのリンパ球が上昇しやすい。本患者では咳や痰といったカタル症状が前面に出ているため、ふとeが正解かと思ってしまう。が、公表された正答はbであった。実は長期にわたる大量喫煙より好中球が増加することが知られている(原因不明)。
c・d 好酸球と好塩基球は不変。
※「長期にわたる大量喫煙より好中球が増加する」という事実を知らないと正答は困難。同事実はそこまで普遍性の高い(すなわち全医療人が知っておくべき)事実とは考えにくく、すなわち悪問。
※「長期にわたる大量喫煙より好中球が増加する」という事実だけを問いたいのであれば、主訴を「感冒様症状」にしないでほしい。誘導からして悪意を感じる。
※実臨床ではこうした臨床像でリンパ球が増加している患者も数多くいるであろう。a、b、eどれも正解と思ってよい。

正答率:58%

テーマ:喫煙患者の血球検査

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