103E56

26歳の男性。オートバイを運転中に乗用車と衝突したため搬入された。意識は混濁。身長165cm、体重65kg。脈拍120/分、整。血圧78/60mmHg。脾破裂と診断し緊急手術となった。開腹止血術、輸液および輸血によって循環動態は安定し、術後、集中治療室に収容した。入室時、脈拍76/分、整。血圧110/76mmHg。中心静脈圧は5mmHgであったが、Hb値は6.5g/dLであった。Hb値10g/dLを目標に赤血球濃厚液を投与することとした。
何単位の投与が必要か。
ただし、赤血球濃厚液1単位は全血200ml(Hb 14g/dL)に由来する。
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解答: b

103E56の解説

健常人では体重の約1/13が循環血液量とされる(これは覚えていないと戦えない)。本患者は65kgの体重のため、65÷13=5L=50dLの血液を持つと推測される。

現在のHb値が6.5g/dLであることより、今6.5×50=325gのHbを持っている(A)。
目標のHb値が10g/dLであることより、10×50=500gのHbを達成したい(B)。
よって、AとBの差分である175gのHbを補えばよいと分かる。

赤血球濃厚液1単位には、14×2=28gのHbが含まれるため、求める値は175÷28=6.25単位となる。
ゆえに、bが正しい。

※提示されている65kgという体重が出血前の値なのか、出血後の値なのか不明である。また、6単位の輸血により循環血液量は1.2L増加するため、厳密にはこれもカウントする必要がある。が、実臨床の現場では厳密に計算している間に患者を失ってしまうかもしれない。ゆえに、上記のような概算で十分と言える。

正答率:67%

テーマ:輸血量の計算

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