いつもお世話になっております。
この問題については輸血前後の循環血漿量の増加については議論されていましたが、計算方法についての内容なので新たに投稿させていただきました。
計算方法について http://www.jrc.or.jp/vcms_lf/iyakuhin_yuketu0706-107_090805.pdf にあるようにHb上昇期待値(g/dL)=投与Hb量(g)/循環血液量(dL)
を用いると、この患者の循環血液量は65kg×70mL/kg÷100=45.5dLと推測され、赤血球濃厚液1単位の投与により期待されるHb増加量は28g÷45.5dL=0.615g/dLとなる.よって,Hbを3.5g/dL上昇させるためには3.5g/dL÷0.615g/dL=5.7単位と計算できます。
一方、先生の解説にあるようにヒトの循環血液量は体重の約1/13という知識を用いると解説にあるように6.25単位となり、どちらの計算方法でも概算であり四捨五入をすれば正答の6単位には到達できるのですが、臨床などではどちらを用いることが多いのでしょうか?(今後出題された場合も含めて)
お忙しい中大変恐縮ではございますがご回答していただけると幸いです。よろしくおねがいします。
これについては色々な算出方法があり、精度と手間のバランスから適宜取捨選択します。
・講義内で紹介しているものは暗記事項を最小にした方法です。覚えるべきは「循環血液量は体重の約1/13という知識」のみで、しかもこの知識は他領域の病態理解にも活きてきます。
・お示しいただいた計算方法では、①数式をまず覚える、②循環血液量の基準値(70mL/kg)を覚える、の2つの知識が必要になってしまいます。
・救急の現場等では計算などせず、ベテラン医師は長年の経験から、若手医師は早見一覧表で確認してしまうことが多い印象。
どれが正しく、どれが誤っている、というわけではありませんし、国試で出題された場合はどれで算出しても正答には至るように設計されるはずですから、お好きな方法を選べばOK。
お忙しいなか、丁寧にご回答の方していただきありがとうございました。
先生のおっしゃるように他領域の病態生理にも活かせるような方法を取りたいと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。
ログインするとコメントを投稿することができます。