35歳の男性。口渇を主訴に来院した。生来健康であったが、1か月前から口が異常に渇き、お茶やジュースなどを1日約5リットル飲むようになった。尿量も多く、夜間に3回以上排尿のために覚醒するので睡眠も障害されるようになった。意識は清明。身長172cm。体温36.7℃。脈拍80/分、整。血圧120/76mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)。尿量4,500ml/日。血液所見:赤血球520万、Hb 14.5g/dL、Ht 48%、血小板25万。血液生化学所見:血糖85mg/dL、HbA1c 5.2%(基準4.3~5.8)、総蛋白7.2g/dL、アルブミン5.2g/dL、尿素窒素24.0mg/dL、クレアチニン0.9mg/dL、尿酸7.5mg/dL、総コレステロール215mg/dL、AST 32U/L、ALT 28U/L、LD 220U/L(基準176~353)、Na 147mEq/L、K 4.2mEq/L、Cl 105mEq/L、Ca 9.2mg/dL、P 4.0mg/dL。尿浸透圧:デスモプレシン〈DDAVP〉5μg点鼻投与前160mOsm/l、投与後460mOsm/l。
この患者にみられるのはどれか。
網膜の軟性白斑
視床下部の口渇中枢障害
バソプレシン受容体機能低下
5%高張食塩水負荷でバソプレシン分泌反応低下
頭部単純MRIのT1強調矢状断像で下垂体後葉の信号強度の増強