解決済 102I56 02.内分泌代謝

「反応低下」の記載について

選択肢 d バソプレシン分泌反応低下 とありますが、これは正確に表現するなら「バソプレシン分泌反応なし」ですよね?
医学界では"反応なし"を"反応低下"と書く場合が多いのでしょうか?
国語的ですが、今後の試験で迷わないためにもここではっきりさせておきたいです。回答よろしくお願いします。

回答1件

  • こんにちは。
    先日この問題に遭遇し疑問を抱いた者の一人として、調べたことをこちらで共有させていただきたく存じます。
     
    結論から申しますと、「5%高張食塩水負荷でバソプレシン分泌反応低下」(✳︎)というのは語弊を招く表現ではあるものの、診断基準より引用された正しい文章であると思われます。
     
    http://www.yamaguchi-endocrine.org/pdf/arima_202004.pdf
    H30年度の中枢性尿崩症の診断基準 Ⅱ. 検査所見 3 に拠ると
    「高張食塩水負荷試験におけるバソプレシン分泌の低下:5%高張食塩水負荷時に、血漿浸透圧(血清ナトリウム濃度)高値においても分泌の低下を認める。」
    とあります。
    添付資料の図2をご覧いただきますと
    ・健常者では食塩水負荷により血清Na濃度が上昇するにつれて、ADHの分泌量が増加し血漿中の濃度が上昇する(=「ADH分泌反応」)
    ・しかし、ADHの分泌不全を来す中枢性尿崩症患者では、血清Na濃度が上昇してもADH濃度の上昇はごく軽微で殆ど変化がない。
    ことが分かります。
     
    これを以って診断基準が主張したいのは「中枢性尿崩症患者では『健常者に比べて』ADH分泌反応(の程度)が低下している」ということではないでしょうか。
     
    即ちADH分泌反応は健常者(や腎性尿崩症、心因性多飲、糖尿病)との比較(鑑別)を前提としており、(✳︎)を中枢性尿崩症それ単体で精査した結果「高張食塩水を投与しても反応が生じない、又は極めて微弱なので『なし』じゃないか」と疑問に思った人は小生を含めてドツボに嵌ってしまったものと考えられます。
     
     
    (もしも穂澄先生が見ていらっしゃったら、次年度以降の動画では
    ①本来なら「...食塩水負荷で」ではなく「...食塩水負荷した時に見られる筈の」の方が適切である。
    ②「分泌反応」が健常者と比べて低下している。単体で考えると、分泌反応(尤も、この場合は「分泌量」の気がしますが)は変化なし、或いはあっても微増である。
    ことにサラッと触れていただければと........)
     
    長文、駄文、大変失礼しました。

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  • 問題参照 102I56

    35歳の男性。口渇を主訴に来院した。生来健康であったが、1か月前から口が異常に渇き、お茶やジュースなどを1日約5リットル飲むようになった。尿量も多く、夜間に3回以上排尿のために覚醒するので睡眠も障害されるようになった。意識は清明。身長172cm。体温36.7℃。脈拍80/分、整。血圧120/76mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)。尿量4,500ml/日。血液所見:赤血球520万、Hb 14.5g/dL、Ht 48%、血小板25万。血液生化学所見:血糖85mg/dL、HbA1c 5.2%(基準4.3~5.8)、総蛋白7.2g/dL、アルブミン5.2g/dL、尿素窒素24.0mg/dL、クレアチニン0.9mg/dL、尿酸7.5mg/dL、総コレステロール215mg/dL、AST 32U/L、ALT 28U/L、LD 220U/L(基準176~353)、Na 147mEq/L、K 4.2mEq/L、Cl 105mEq/L、Ca 9.2mg/dL、P 4.0mg/dL。尿浸透圧:デスモプレシン〈DDAVP〉5μg点鼻投与前160mOsm/l、投与後460mOsm/l。
    この患者にみられるのはどれか。
    • a 網膜の軟性白斑
    • b 視床下部の口渇中枢障害
    • c バソプレシン受容体機能低下
    • d 5%高張食塩水負荷でバソプレシン分泌反応低下
    • e 頭部単純MRIのT1強調矢状断像で下垂体後葉の信号強度の増強
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