102G20

自覚的屈折検査において、矯正レンズを用いずに視力検査表の1.0の指標が判読できた。眼前に+1.0Dのレンズを置いたところ同様に判読できたが、+1.5Dのレンズを置くと像は不鮮明になった。再度+1.0Dのレンズを眼前に置いて、さらに−0.5D円柱レンズを付加して水平、垂直および斜めの軸で検査したが、見え方は良くならなかった。
この眼の屈折はどれか。
正視
近視
遠視
不正乱視
混合乱視

解答: c

102G20の解説

マイナスのレンズ(近視の凹レンズ)はできるだけ数字の小さい度数で、プラスのレンズ(遠視の凸レンズ)はできるだけ数字の大きい度数で、最高視力を引き出せるレンズが正しい矯正方法である。本症例では裸眼視力が1.0であり、+1.0Dのレンズを置いても同様の1.0となっている。+1.5Dでは最高視力がでていないのでこの時点で遠視であるといえる。また、円柱レンズは必要なかったので、最終的に+1.0Dの遠視となる。
a チン小帯、毛様体の緊張がなく、水晶体が最も薄い状態で無限遠方の像が網膜上に結像するような状態をいう。凹レンズや凸レンズを置くと像がぼやける。
b 水晶体が最も薄い状態で無限遠方の像が網膜より手前に結像するような状態。凹レンズで補正可能。
c 正しい。水晶体が最も薄い状態で無限遠方の像が網膜より奥に結像するような状態。凸レンズで補正可能。
d 角膜または水晶体の歪みが対称的であり、円柱レンズで矯正できるような乱視を正乱視という。不正乱視は、歪みが不規則で円柱レンズで矯正できない乱視である。
e 最も屈折の強い方向は近視、最も屈折の強い方向は遠視となっているような乱視。近視性乱視と遠視性乱視が混ざって存在しているような状態。
※非専門医にとって細かな乱視の分類はオーバーワークに感じる。本文に関して言えば、「円柱レンズで見え方が改善しない」という時点でdとeは除外してしまってよいと考える。

正答率:73%

テーマ:自覚的屈折検査から判別する遠視

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