102D27

50歳の男性。胸痛を主訴に来院した。数日前から風邪気味であったが、昨日から左前胸部痛が出現した。痛みは数時間続くことがあり、深吸気時と仰臥位とで増強する。意識は清明。身長170cm、体重67kg。体温36.9℃。脈拍84/分、整。血圧140/84mmHg。収縮期と拡張期とに高調な雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。血液所見:赤血球456万、Hb14.5g/dL、白血球8,900。CRP4.5mg/dL。心電図を別に示す。
最も考えられるのはどれか
肺塞栓症
急性心膜炎
特発性胸膜炎
安静時狭心症
肥大型心筋症

解答: b

102D27の解説

胸痛を主訴とする50歳男性。数日前から風邪気味であり、前胸部痛は深吸気時と仰臥位とで増強すること、心電図ではaVR、V1以外の誘導でST上昇を認めることから急性心膜炎を考える。収縮期と拡張期とに高調な雑音は心膜摩擦音と考えられる。
a 胸痛として鑑別すべき疾患だが、呼吸苦や頻脈、心電図で右心負荷所見を認めるはずである。
b 正しい。急性心膜炎の原因は主にウイルス性である。
c 特発性胸膜炎では心電図変化や、心膜摩擦音は認めない。
d 安静時狭心症では胸痛は15分以内に改善することが一般的である。
e 肥大型心筋症では収縮期駆出性雑音を認めるはずである。

正答率:92%

テーマ:急性心膜炎の診断

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