102D28

64歳の女性。嗄声を主訴に来院した。1か月前から嗄声を自覚し、飲水時にむせるようになった。意識は清明。身長150cm、体重55kg。脈拍80/分、整。血圧162/94mmHg。胸骨右縁第2肋間で2/6度の収縮期駆出性雑音を聴取する。胸部造影CTを別に示す。
適切なのはどれか。
甲状腺摘出術
左肺上葉切除術
人工血管置換術
縦隔腫瘍摘出術
大動脈弁置換術

解答: c

102D28の解説

嗄声を主訴とする64歳女性。胸部造影CTでは弓部大動脈に嚢状動脈瘤、壁在血栓を認めており、胸部大動脈瘤と診断する。嗄声と嚥下障害は左反回神経が弓部大動脈を反回しているため、説明がつく。胸骨右縁第2肋間での収縮期駆出性雑音は大動脈弁狭窄症〈AS〉が示唆される。これは動脈硬化が進んでいることを示唆する。
a 本症例は甲状腺疾患ではなく不適切。
b 本症例は肺腫瘍ではない。
c 正しい。胸部大動脈瘤に対し人工血管置換術を行う。
d 本症例は縦隔腫瘍ではない。
e ASは認めるが、本症例はASによる症状ではない。ASの手術適応は、高度ASで有症状の場合である。雑音のみで手術を判断することはできないため、この後心エコーにて評価を行うこととなる。

正答率:67%

テーマ:弓部大動脈瘤の治療

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