101D33

次の文を読み、33、34の問いに答えよ。
25歳の男性。意識消失発作を主訴に来院した。
現病歴:受診日の早朝、車を運転中に便意を自覚した。排便したかったが、我慢をして運転を続けた。ガソリンスタンドに車を止めて、車外に一歩踏み出したところで、発汗を認めた。そして頭から血が引いてゆく感じがして気が遠くなり、その場にゆっくりと倒れ込んだ。数秒後に意識は戻り、怪我はなく、歩行することができた。
既往歴:特記すべきことはない。
現 症:身長170cm、体重65kg。体温36.5℃。呼吸数14/分。脈拍80/分、整。血圧100/80mmHg。眼瞼結膜に貧血はない。心音と呼吸音とに異常を認めない。神経学的に異常所見を認めない。
この患者の診断に最も有用なのはどれか。
病歴
身体診察
血液検査
胸部エックス線撮影
頭部CT

解答: a

101D33の解説

意識消失発作を主訴とする25歳の男性。排便を我慢するという緊張感が持続した状態の直後に失神した。すぐに意識回復し以降麻痺など神経学的異常所見を認めないことから血管迷走神経反射が考えられる。
a 正しい。ストレス下で交感神経が刺激され続けると、代償として頸動脈に位置する圧受容体反射が亢進し迷走神経を刺激する。そこへ立位をとったことで一過性に脳血流が低下し失神をきたしたと考えられる。
b 血管迷走神経反射では身体診察で特に異常は認めない。
c~e もちろん失神の鑑別として不整脈をきたしうる電解質異常や心電図検査、頭部CTでの頭蓋内病変の検索などは必要だが、本症例は病歴から血管迷走神経反射が強く疑われるため、これらからは診断に至らない。

正答率:77%

テーマ:【長文1/2】血管迷走神経反射〈VVR〉の診断に有用な情報

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