100H34

16歳の女子。複視と歩行時のふらつきとを主訴に来院した。2週前に咽頭痛、全身倦怠感および微熱を生じたが数日で軽快した。昨日、起床時に物が二重に見えることと歩行時のふらつきとを自覚し、徐々に症状が増悪してきた。水平方向の眼球運動制限を認め、左方視で複視が出現する。四肢で筋力は正常であるが、腱反射が消失している。血液検査では異常を認めない。脳脊髄液検査では細胞数は正常、蛋白は軽度の上昇を認める。
適切な治療はどれか。2つ選べ
抗凝固療法
血漿交換療法
免疫抑制薬内服
免疫グロブリン点滴静注
副腎皮質ステロイド薬点滴静注

解答: b,d

100H34の解説

若年女子の複視と歩行時のふらつき。前駆する感染があり、脳脊髄液検査では蛋白細胞解離もみられる。Guillain-Barré症候群〈GBS〉を考えたいエピソードではあるが、眼の症候が前面にみられている。Fisher症候群を考えたい。
a 血栓症に有効。
b・d 正しい。Fisher症候群の治療はGBSと同様である。
c・e 本疾患にも免疫機序は関与しているが、免疫抑制薬や副腎皮質ステロイド薬は用いない。

正答率:80%

テーマ:Fisher症候群の治療

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