100F22

65歳の男性。体動時の息切れを主訴に来院した。身長160cm、体重55kg。呼吸数14/分。脈拍76/分、整。血圧138/82mmHg。心音に異常を認めない。左下肺野で呼吸音の減弱を認める。胸部エックス線写真(A)と胸部単純CT(B)とを別に示す。
この患者に認めるのはどれか。
左上肢痛
チアノーゼ
Horner症候群
横隔神経麻痺
上大静脈症候群

解答: d

100F22の解説

体動時の息切れを主訴とする65歳男性。左下肺野で呼吸音の減弱を認める。胸部エックス線写真(A)では左横隔膜の挙上と左肺門部の腫瘤影を認める。胸部単純CT(B)では大動脈弓の前方に腫瘤影を認めることから、前縦隔腫瘍が疑われる。上前縦隔腫瘍による横隔膜神経麻痺と考えられる。
a 左上肢痛は左肺尖部でのPancoast腫瘍などで認める。
b 本症例は低酸素血症を疑う現病歴は無く、チアノーゼは考えにくい。
c Horner症候群は肺尖部でのPancoast腫瘍でみる。
d 正しい。上述の通り。
e 上大静脈症候群の所見である顔面や上肢の浮腫は認めず、CT(B)で上大静脈に腫瘍の浸潤はみない。

正答率:62%

テーマ:上縦隔腫瘍に随伴する症状(横隔神経麻痺の診断)

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