100D31

次の文を読み、31、32の問いに答えよ。
65歳の男性。両側頸部と鼠径部とのリンパ節腫脹を主訴に来院した。
現病歴:3か月前からリンパ節腫脹が出現し、次第に増大してきた。この間、発熱や体重減少は認めていない。
既往歴:特記すべきことはない。
現 症:意識は清明。身長166cm、体重62kg。体温36.7℃。脈拍72/分、整。血圧116/66mmHg。皮膚は正常。心雑音はない。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦で、肝・脾を触知しない。両側頸部と鼠径部とに、直径2~3cm大の表面平滑で弾性硬のリンパ節を各々数個触知する。可動性を認めるが圧痛はない。下肢に浮腫を認めない。
検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球524万、Hb 15.2g/dL、Ht 47%、白血球5,800(桿状核好中球2%、分葉核好中球56%、単球10%、好酸球4%、好塩基球3%、リンパ球25%)、血小板34万。血清生化学所見:総蛋白7.3g/dL、アルブミン4.2g/dL、尿素窒素12mg/dL、クレアチニン0.7mg/dL、総コレステロール217mg/dL、AST 50U/L、ALT 28U/L、LD 530U/L(基準176~353)、可溶性IL-2受容体2,280U/mL(基準220~530)。免疫学所見:CRP 5.4mg/dL、ツベルクリン反応陰性。
最も考えられるのはどれか。
伝染性単核症
悪性リンパ腫
多発性骨髄腫
結核性リンパ節炎
癌のリンパ節転移

解答: b

100D31の解説

高齢男性の両側頸部と鼠径部とのリンパ節腫脹。表面平滑で弾性硬のリンパ節を触知しており、悪性リンパ腫が考えやすい。可溶性IL-2受容体が高値であることも納得がいく。
a 伝染性単核症であれば肝脾腫や咽頭痛、異型リンパ球をみる。
b 正しい。上記の通り。
c 多発性骨髄腫であれば腰痛や総蛋白の上昇、アルブミンの低下をみる。
d 結核性リンパ節炎を否定する根拠はない。が、与えられた情報から第一に結核性リンパ節炎を想起する医師はいまい。
e 癌のリンパ節転移であればリンパ節は可動性不良である。

正答率:91%

テーマ:【長文1/2】悪性リンパ腫の診断

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