100D12

72歳の男性。体動時の息切れと動悸とを主訴に来院した。数年来、時々新鮮血が便に付着していたが、最近付着する頻度が増え残便感を自覚するようになった。10日前から下血を繰り返し、体動時の息切れと動悸とが出現した。意識は清明。体温36.8℃。脈拍108/分、整。仰臥位血圧110/80mmHg、坐位血圧92/60mmHg。眼瞼結膜は貧血様で眼球結膜に黄疸を認めない。心尖部に2/6度の収縮期雑音を聴取する。血液所見:赤血球392万、Hb 9.6g/dL、Ht 28%、白血球4,000、血小板40万。血清生化学所見:総蛋白6.6g/dL、アルブミン3.6g/dL、尿素窒素16mg/dL、クレアチニン0.8mg/dL、総コレステロール192mg/dL、総ビリルビン0.8mg/dL、AST 40U/L、ALT 32U/L、Na 137mEq/L、K 4.0mEq/L、Cl 100mEq/L。
この患者で認められる可能性が最も高いのはどれか。
腹部膨隆
腸雑音消失
腹部筋性防御
直腸腫瘤触知
反跳痛〈Blumberg徴候〉

解答: d

100D12の解説

数年来の経過で新鮮血を認めている高齢男性。残便感も認め、現在は貧血も呈している。大腸癌の可能性がある。
a 現時点で排便を認めていることからイレウスは来していない。
b 腸雑音消失は麻痺性イレウスなどでみられる。
c・e 筋性防御、反跳痛は腹膜炎などで認める。
d 正しい。腫瘤性病変を認める可能性は十分にある。

正答率:90%

テーマ:直腸癌の診察所見

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